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多肉植物の正しい水やり方法とは?季節による水量と頻度やコツを解説

「多肉植物を育て始めたけど元気がない気がする」

「水やりの頻度がいまいちわからない」

おしゃれでかわいい多肉植物を育て始めたのは良いものの、いまいち管理方法がわからず、最近何だか元気がないように見えるという人はいませんか?

もしかしたら、水やりの方法が間違っているかもしれませんよ。

今回の記事では多肉植物を健康に成長させるために大切な、基本的な管理の方法と正しい水やりの頻度についてお話していきます。

多肉植物の育て方の基本

多肉植物の育て方の基本

多肉植物の種類は非常に豊富で、現在20,000種以上が存在していると言われています。また、形や色も同じ多肉植物でも全く異なるため、さまざまな育て方があると思ってしまいがちですが、いずれの多肉植物も基本的な管理方法は同じです。

ただし、多肉植物以外の植物と同じ感覚で育ててしまうと、カビや根腐れを起こす原因にもなります。

日当たりと風通しの良い場所で育てる

多肉植物はお部屋のインテリアとして室内で育てるという人も多いかもしれません。室内で育てる場合、基本的には日当たりの良い場所においてあげましょう。乾燥させてあげることも大切なので、一年を通して日当たりもよく風通しの良い窓際などがおすすめです。

理想の環境で育てたいのであれば、夏は屋外の明るめの日陰、冬は室内の窓際から少し離れた日当たりのいい場所に置くと良いでしょう。秋と春は夏と同じく屋外におきますが、日向に置くようにします。

ただし、室内で育てる場合も含め、夏に直射日光は当てないようにしましょう。

水やりの頻度と量に気をつける

多肉植物に水をやる頻度は週に1回から3週間に1回ほどと言われています。

少ないように思う人もいるかもしれませんね。しかし、多肉植物はもともと、痩せた土地で自生しており、貴重な水分を自分の葉に蓄える性質を持っています。そのため、多肉植物の葉はぷっくりした、厚い葉の形をしています。

土からだけではなく、空気中の水分も吸収する生命力の高さを持っているので、頻繁に水やりをする必要がありません。

水をあげすぎてしまうと、根腐れの原因になり、枯らしてしまうことにも繋がります。他の植物と大きく違う点なので注意しましょう。

多肉植物の水やりの仕方

多肉植物の水やりの仕方

先ほど多肉植物への水やりの頻度についてお話しましたが、ベストなのは多肉植物の状態を見て適切な量の水をあげることです。

ここでは、多肉植物に水をあげるタイミングの見極め方と、水やりの方法について紹介していきます。

効果的な水やりのタイミングを知って、多肉植物を健康に保ちましょう。

葉にシワができていたら水やりのタイミング

多肉植物にそろそろ水をあげるタイミングかな?と思ったら、多肉植物の葉に注目してみましょう。

多肉植物の葉にシワができていたら、その時が水やりのタイミングです。葉は水分が不足すると、葉の付け根から乾燥しシワができていきます。目で見てわかる程度のシワになっていたら、水をあげましょう。

他の観葉植物では、よく「土が乾燥していたら水やりをする」と言いますが、同じように多肉植物に水を与えてしまうのはNGです。土が乾燥し、かつ葉にシワができてから行いましょう。

乾燥気味に育てる

多肉植物は気持ち乾燥気味に育てるようにしましょう。

多肉植物の原種は、南米やアフリカの乾燥した土地に生息しています。もともと、乾燥を好む植物のため、あまり過保護に水を与えすぎてしまうと根腐れを起こしてしまいます。

高い湿度も苦手で、人間が心地よいと感じる湿度は55%から60%ほどと言われていますが、多肉植物にとって心地の良い湿度は25%前後です。

なるべく乾燥した風通しの良いところにおいてあげましょう。

水やりの時間は夕方から夜がおすすめ

葉っぱにシワができているのを見つけたら、涼しい夕方から夜の時間帯に水やりするのがおすすめです。

多肉植物は、昼の暖かい時間になると気孔を閉じて葉の中にある水分の蒸発を防ぎます。夕方から夜の涼しい時間のうちは気孔が開いており、ストレスなく水分を吸収できるようになっています。

暖かい時間にあげると、水が蒸発しやすく湿度も高めになってしまうので多肉植物にとってあまり良くありません。

水の量はたっぷりと

多肉植物は乾燥を好むということに何度か触れてきましたが、水やりをする際は、受け皿に水が溜まるくらいたっぷりと水やりをしましょう。

乾燥させる時は乾燥させ、水やりをするときはたっぷりと、メリハリをつけてあげるのが多肉植物の管理のコツです。

受け皿に溜まった水は、湿度を高める原因になるので水やり後に捨てましょう。

水のやり方は生育型によって異なる

水のやり方は生育型によって異なる

「生育型」とは、多肉植物の成長を「生育期」「緩慢期」「休眠期」のサイクルに分類し季節に当てはめたものを言います。

多肉植物には「春秋型」「夏型」「冬型」の3つの生育型があり、この生育型によって水やりの方法が違います。

難しそうに聞こえますが、生育期には多めに水を与え、休眠期には少なめもしくは断水するという考え方でOKです。生育期と休眠期の間の緩慢期は、休眠期にかけて水やりの量を少しずつ減らしていきます。

大切なのは育てている多肉植物の生育型を知っておくことです。生育型に適さない方法で水やりをしてしまうと、根腐れの原因になるので必ずチェックしておきましょう。

春秋型

春や秋の穏やかで過ごしやすい気候を好む多肉植物を「春秋型」と言います。

「春秋型」の多肉植物は人と似た気温を好むので、比較的育てやすいのが特徴です。生育期の3〜5月、10〜11月には週に1度多めに水を与え、7〜8月、12〜2月の休眠期には月に一度の水やり、もしくは断水しましょう。

生育期…3〜5月、10〜11月
緩慢期…6月、9月、12月、2月
休眠期…7〜8月、12〜2月

主な品種…セダム、オロスタキス、エケベリア(春秋型)、センペルビウム、クラッスラ(春秋型)

夏型

暖かな気温を好む多肉植物を「夏型」と呼びます。

と言っても日本の気温は多肉植物にとっては暑すぎるため、7〜8月の一番暑い時期にかけても休眠期に入ります。夏の休眠期には月に1度水を与え、冬の休眠期は断水します。生育期には多い時には3日に1度水やりを行います。葉の状態をみて頻度を決めましょう。

生育期…4〜6月、9〜10月
緩慢期…3月、11月
休眠期…7〜8月、12月〜2月

主な品種…アガベ、パキフィツム、カランコエ、ユーフォルビア、コチレドン(夏型)、クラッスラ(夏型)、ガステリア

冬型

多肉植物にも涼しい気温を好む種類もあり、冬場に成長する多肉植物を「冬型」と分類します。

多肉植物の中でもユニークな見た目のものが多く、冬型を好む愛好家も多くいます。生育期には週に1回、緩慢期には2週間に1回、休眠期には月に1回を目安に水やりを行いましょう。

生育期…11〜12月、2〜3月
緩慢期…1月、4月、10月
休眠期…5〜9月

主な品種…アエオニウム、リトープス、コノフィツム、クラッスラ(冬型)、フォーカリア、チタノプシス、プレイオスピロス

多肉植物への水やりで気をつけること

多肉植物への水やりで気をつけること

多肉植物はサボテンやアロエと同様に育てやすいイメージがありますが、他の植物と同じような感覚で水やりをしてしまうと、健康に育てることができません。

これまでは水やりの頻度について説明してきましたが、水やりの際にもコツがあります。

それぞれのコツで共通することは「水やりの頻度を守ること」「水を葉につけないこと」です。

どのように水やりを行えばいいのか詳しく説明していきます。

水のあげすぎは根腐れの原因に

多肉植物は乾燥を好む植物です。そのため他の植物と同じように、湿った状態の土で育ててしまうと、根腐れを起こす危険があります。

水やりの直後を除いて、土は乾燥した状態に保つのが良いでしょう。そのためには生育型に合わせた水やりのタイミングを守り、それ以外はいい意味で大雑把に育てることが大切です。

几帳面な人ほど、ついつい水をやりすぎてしまいがちなので注意しましょう。

霧吹きではなくジョーロで

多肉植物には霧吹きで水を与えないようにします。

乾燥地帯で自生する多肉植物にとって日本の湿度は非常に高く、霧吹きで水を与えてしまうと、葉の下に入り込んだ水分が湿度を溜め込んでしまう危険性があります。

葉が蒸れて痛む原因になるので、霧吹きではなくジョーロを使ってたっぷりと水やりを行いましょう。

葉ではなく土に水やりをする

ジョーロで水を与える際も、葉に水がつかないように直接土に水をかけるようにします。

シャワータイプの「ハス口」ジョーロよりも、根本にピンポイントで水を与えられる「細口」ジョーロがおすすめです。

万が一葉に水がついてしまった場合は、少量であれば風通しの良いところにおいて乾燥させます。大量にかかってしまった場合は、できるだけ乾燥した布で優しくふいてあげましょう。

まとめ

まとめ

多肉植物に水やりを行う注意点をまとめます。

  • 多肉植物は乾燥を好み、水を与えすぎると根腐れを起こす
  • 生育型に合わせて水やりを行う
  • 生育期には週に1回、緩慢期には2週間に1回、休眠期には月に1回もしくは断水が目安
  • 葉にシワができたら水やりのタイミング
  • 水やりの際はたっぷり水やりする
  • 葉に水をつけない

以上のことに注意すると、健康な状態で多肉植物を育てることができるでしょう。

正しい水やりの方法を知って、いろいろな生育型の多肉植物に挑戦してみてくださいね。

※情報の取り扱いには十分に注意し、確認した上で掲載しておりますが、その正確性、妥当性、適法性、目的適合性等いかなる保証もいたしません。
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サクラ@PUKURI編集部

サクラ@PUKURI編集部

多肉植物愛好家

PUKURI編集部のサクラです。論文や専門家のノウハウを基に多肉ライフに役立つ情報をお届けします。

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