多肉植物ライフをもっと楽しむ情報メディア

植物図鑑

ユーフォルビア・トゥレアレンシスの育て方

ユーフォルビア・トゥレアレンシスはマダガスカルが原産でトウダイグサ科ユーフォルビア属の多肉植物です。今回は初心者にもわかりやすい内容でユーフォルビア・トゥレアレンシスの特徴や写真のほか、水やりや病害虫、選び方、増やし方、肥料や用土などの詳しい育て方などを紹介します。

ユーフォルビア・トゥレアレンシスの特徴

「ユーフォルビア・トゥレアレンシス」は、マダガスカル島に自生する小型の「塊根性ユーフォルビア」の一種。名称は生息地名である「トゥリアラ」に由来しており、ワシントン条約Ⅰ類にも記載されている希少種です。似た見た目の「ユーフォルビア・デカリー」などに比べると市場での販売は少ないものの、最近ではタイを中心に繁殖が盛んに行われています。株は実生繁殖苗や枝挿しによって増やされ、輸入許可も取られているので興味がある人は専門店をチェックしてみましょう。「ユーフォルビア・トゥレアレンシス」はとても成長が遅い品種で、最大でも数cm程度にしかなりません。枝もあまり伸びず、密集するように分枝するため短く丸まった株姿が特徴。ひだのある肉厚な葉を付け、小さく細かなトゲを持った短い枝を出します。実生繁殖のものは個体差が大きく、葉の色は緑色や銅色、花色はピンクがかったブラウンや青みがかったグレーなどの変異がみられます。また、多くのユーフォルビアと同じく、根や茎、葉に傷が付くと白い樹液を分泌します。皮膚や目を強く刺激することがあるので、植え替えの際はよく注意してください。

ユーフォルビア・トゥレアレンシスの詳細情報

園芸分類多肉植物、ユーフォルビア
草丈・樹高~10cm
耐寒性弱い
耐暑性普通
耐陰性弱い
花色ピンクがかったブラウン、青みがかったグレー
開花時期初夏~秋

ユーフォルビア・トゥレアレンシスの育て方カレンダー

時期1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
植え替え
開花時期   
肥料

ユーフォルビア・トゥレアレンシスに適した栽培環境

日当たり・置き場所

日当たりのよい場所を好む「ユーフォルビア・トゥレアレンシス」。基本的には通年を通して直射日光が当たる風通し良好な場所に置きます。比較的強く丈夫な品種ですが、寒さにはとても弱いので最低でも8℃は保つように意識してください。休眠期の間もなるべく日光を取り込み、株や植木鉢、用土が温まるようにするとよいでしょう。葉は日焼けしやすいため、春から秋にかけての期間は遮光を施します。

温度

強く丈夫な「ユーフォルビア・トゥレアレンシス」ですが、寒さには非常に弱い多肉植物です。1年を通して日当たりと風通しのよい環境で育て、冬は最低温度8℃程度を保てるような環境下に置くのが適しています。寒くなってくると落葉し、完全に落ちきると休眠期に入ります。この時期は、できるだけ暖かい場所で管理するようにしましょう。

用土

「ユーフォルビア・トゥレアレンシス」は水はけのよい用土を好みます。園芸店などで市販されているサボテン・多肉植物用の培養土のほか、山野草の土などもよく利用されます。自分でブレンドする場合、鹿沼土小粒と赤玉土小粒、ピートモス、川砂、くん炭を同量ずつ合わせた配合土を使うとよいでしょう。

ユーフォルビア・トゥレアレンシスの育て方のポイント・コツ

水やり

水やりが少なめでも問題なく育つため、春から秋の成長期は土が乾いたら鉢底から水が流れ出るほどたっぷりあげるとよいでしょう。ただし水を与えすぎると徒長しやすくなるため、量に注意しなくてはなりません。10月~3月ごろの低温期には葉が枯れて休眠し、月に2~3回軽く土を湿らす程度に抑えて断水ぎみに冬越しさせます。乾燥させることにより樹液が濃くなると、より低温に耐えられるようになります。とはいえ「ユーフォルビア・トゥレアレンシス」は根が細くて弱い品種のため、冬の休眠中も週に1度くらいは軽く水やりをすると成長期に入ったときにスムーズに動き出してくれます。春に新芽が動きはじめたら徐々に水やりをスタートしましょう。

肥料

「ユーフォルビア・トゥレアレンシス」は肥料をほとんど必要としません。しかしほかの多肉植物と同様、少しは栄養を与えてあげると健康に美しく育ってくれます。植え替えのときにあらかじめ元肥として緩効性の肥料を培養土に混ぜ込んでおくか、春から秋にかけての生育期を選んで2週間に1回くらい薄めた液体肥料を少量だけ用いるのがおすすめです。成長のスピードを早めたい場合は多めに与えることもできますが、その代わりに徒長を助長させ間延びしやすくなるので注意が必要です。

病害虫

「ユーフォルビア・トゥレアレンシス」のつぼみや花には「カイガラムシ」や「アブラムシ」、根に「ネジラミ」、また「コナジラミ」や「ハダニ」も発生しやすいので注意が必要です。カイガラムシは体長3mm程度の小さな害虫で、多肉植物によく付くことで知られています。枝や茎、葉に寄生するタイプのほか、歩き回る種類も存在するので気をつけてください。成虫になると薬剤が効かず、駆除が難しいとても厄介な生きものです。どの病害虫も物理的に落とすか薬剤で対処し、普段からよく観察することで早めに見つけてあげるのがおすすめです。

ユーフォルビア・トゥレアレンシスの詳しい育て方

選び方

「ユーフォルビア・トゥレアレンシス」は枝があまり伸びず密集するように分枝し、細かいトゲが生えているのが特徴です。最近では実生繁殖されているため個体差があり、花色にはピンクがかったブラウンや青みがかったグレーなどの変異がみられます。ひだのある肉厚な葉っぱを持ち、緑色や銅色とさまざまなので好みで選びましょう。枝や葉にハリがあって発根しているものを選び、初心者は未発根の苗を避けるのが無難です。

植え替え・鉢替え

用土が古くなり、株の生育が鈍ったと感じたら植え替えを行います。適期は生育期の直前か初期の春先ですが、生育期間中はいつでも可能です。土は水はけのよいものを使い、セルフブレンドするなら鹿沼土小粒と赤玉土小粒、ピートモス、川砂、くん炭を同量ずつ混ぜ合わせた配合土がよいでしょう。ユーフォルビアの植え替えについては、根や茎、葉に傷が付くと皮膚や目を強く刺激する白い樹液を出すので注意が必要です。

「ユーフォルビア・トゥレアレンシス」が咲かせる花の形状は、ユーフォルビア特有の「サイアチア(杯状花序)」です。ほかの種類と比べると総苞葉が多肉質で、青が強いネズミ色かつ独特の質感を有しています。香りはないものの、同種の多肉植物のなかでも非常に魅力的な花姿が特徴です。

夏越し

夏生育型の多肉植物で暑さには強く、通常は夏場でも生育が鈍ることはありません。ただし葉焼けには注意し、必要であれば遮光などの対応をしてあげるとよいでしょう。4月~9月の気温が上がる時期に生育するため、日当たりと風通しのよさを意識して戸外で管理します。

冬越し

寒さにも比較的強く育てやすい品種ですが、肌寒いと感じ出す気温になったら暖かい室内などに移動してあげてください。その際は日当たりのよい窓辺に置き、できるだけ日光を浴びるように管理します。10月~3月ごろの低温期には休眠するので、断水ぎみの状態にして冬越しさせてください。乾燥させることにより樹液が濃くなるとより低温に耐えられるようになりますが、この間も週に1度程度は軽く水やりをするとよいでしょう。

増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)

茎が伸びてしまった株を剪定し、切った茎を使って挿し木で増やすことができます。枝を切るとユーフォルビア特有の白い乳液が出るため、流水か水をためて洗い流してから作業するようにしましょう。皮膚や目を強く刺激することがあり、危険なので注意が必要です。「ユーフォルビア・トゥレアレンシス」の植え替えには3月~9月が適しています。

※情報の取り扱いには十分に注意し、確認した上で掲載しておりますが、その正確性、妥当性、適法性、目的適合性等いかなる保証もいたしません。
  • 記事を書いたライター
  • ライターの新着記事
PUKURI編集部

PUKURI編集部の企画・編集スタッフです。多肉植物が大好きな編集部スタッフが論文などの情報に基づき、役立つ情報をお届けします。

  1. 十二の巻(じゅうにのまき)の育て方

  2. 花うららの育て方

  3. 白ボタン(シロボタン)の育て方

コメント

この記事へのコメントはありません。

関連記事

PAGE TOP