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パキポディウムの育て方

パキポディウムは南アフリカ、マダガスカルが原産でキョウチクトウ科パキポディウム属の多肉植物です。今回は初心者にもわかりやすい内容でパキポディウムの特徴や写真のほか、水やりや病害虫、選び方、増やし方、肥料や用土などの詳しい育て方などを紹介します。

パキポディウムの基本情報

植物名パキポディウム
学名Pachypodium
英名Pachypodium
科名キョウチクトウ科
属名パキポディウム属
原産地南アフリカ、マダガスカル

パキポディウムの特徴

「パキポディウム」とは植物の属名のひとつで、キョウチクトウ科に属しています。おもにマダガスカルや南アフリカなどの乾燥温帯地域に自生しており、シルバーグレーのとげが生えたサボテンのような見た目が特徴の多肉植物。刺さると痛いので扱う際にはケガをしないように注意してください。厳しい気候の地域を原産とするだけあって強健で育てやすく、世話やお手入れもほとんどしなくても成長するのが魅力です。いわゆる「塊根植物」に分類され、流通数が多いことからも多肉植物ブームを牽引しています。ほかの塊根植物と比べても成長速度は早く、幼苗でも塊根らしさを備え、種から育てる栽培でも楽しめます。内部はスポンジ状になっており、高い保水力を有しています。幹に水分をためた株姿は、どっしりしたずんぐりむっくりのフォルムが非常にユニーク。形は個体差が大きいので、園芸店で好みのものを見つけたら迷わずゲットして。開花時期は気温が25℃以上になる3~5月の春ごろで、赤、黄色、白といったカラーの大きな花を咲かせます。色合いが濃く鮮やかなことから、インテリアとして取り入れるとおしゃれでおすすめです。

パキポディウムの詳細情報

園芸分類多肉植物、塊根植物
草丈・樹高10㎝~100㎝
耐寒性弱い
耐暑性強い
耐陰性弱い
花色黄色、白
開花時期3月~5月

パキポディウムの育て方カレンダー

時期1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
植え替え
開花時期
肥料

パキポディウムに適した栽培環境

日当たり・置き場所

一年を通して日当たりのよい場所を好みます。夏型の塊根植物なので、この時期には特にたっぷりと日光を浴びせてあげましょう。日当たりがよくないと、光を求めて上に伸びていきます。膨張したことで茎が細くなり、ひょろひょろと見栄えが悪い姿になってしまうため注意が必要。寒さに弱いので冬は室内にしまい、できるだけ風通しのよい窓辺に置くのがおすすめです。

温度

「パキポディウム」は高温には強いため、夏場はあまり気にしなくても育ちます。冬は5度以下には耐えられずに枯れてしまうので、室外で育てている場合は10℃を下回ったら部屋に入れて管理しましょう。美しさを保ちながら鑑賞するには、最低でも10〜12℃くらいの温度をキープしてください。

用土

「パキポディウム」は乾燥を好むため、水はけのよい土が適しています。サボテン・多肉植物の専用土でも可能ですが、配合土にする場合は川砂6と腐葉土4を混ぜるとよいでしょう。軽石か赤玉などを加えると、さらに水はけがよくなります。

パキポディウムの育て方のポイント・コツ

水やり

乾燥を好むので水のやりすぎには注意が必要です。夏場は雨ざらしでも問題ありませんが、雨の日が長く続くようなら軒下へ移動させてあげましょう。基本的に水やりは、表土が乾いてから2〜3日空けて控えめにすることが大切です。休眠期にあたり葉っぱが落ちる冬場を迎えたら断水ぎみを心がけ、1か月に1~2回程度のペースにとどめます。春になって1日の気温が安定してきたら少しずつ再開しましょう。ただし、いきなり水を与えすぎないように注意してください。いずれの季節も、加湿が最大の腐る原因につながります。

肥料

「パキポディウム」には、生育期の春から秋に薄めた液体肥料または緩効性肥料を与えます。頻度は1か月に1回、必要があれば2回でもよいでしょう。栄養が足りない状態が続くと茎の途中から細くなってしまい、頼りないひょろひょろした姿のまま成長します。肥料がなくても枯れたりすることはないものの、見ばえの点で差が出るので気をつけてください。花つきも悪くなるため、せっかくインテリアとしても楽しめる大きな花が咲かずに終わる可能性もあります。

病害虫

「パキポディウム」に発生する害虫には、「アブラムシ」や「ハダニ」、「カイガラムシ」などがいます。これらは葉っぱを食べたり、成長を止めたりするので見つけたら早急に駆除しましょう。歯ブラシやつまようじなどを使ってこそぎ落とすか、月に2~3回程度市販の害虫駆除剤をまいても対処できます。その際は植物本体を傷つけないよう注意してください。また、虫による汚染がもとになって「ウイルス病」や「成長点黒化病」にもかかるケースもみられます。

パキポディウムの詳しい育て方

選び方

「パキポディウム」は、胴体の部分になる茎の色がシルバーグレーをしています。するどいとげがたくさん生えているため一見サボテンに見えますが、サボテンの仲間ではなく多肉の塊根植物に分類される一種です。葉っぱと株全体的につや、ハリがあるものがおすすめです。個体差があるので、自分の目で確かめて気に入った樹形を選ぶとよいでしょう。

植え替え・鉢替え

「パキポディウム」は上へとぐんぐん伸びるため、成長すると鉢とのバランスが悪くなって倒れてしまう恐れがあります。適期である3〜5月を選び、2~3年ごとに大きな鉢に植え替えてあげましょう。そのときは根に絡まった土をほぐし、新しい鉢でしっかり張るようにします。とげでケガをしないよう、ガーデニング用や革の手袋をはめて行うと安全です。

「パキポディウム」は、春から初夏にかけての時期に開花します。赤、黄色、白などのカラーバリエーションがあり、大きな花弁は色鮮やかで濃いため非常に華やか。ぱっと目につくのでインテリアとしてもぴったりで、お部屋や玄関に飾るのもおすすめです。花を咲かせるには気温25℃以上が必要なので、環境には配慮してください。

夏越し

「パキポディウム」は乾燥ぎみな環境を好む植物なので、夏場も水をあげすぎないように注意しましょう。雨に打たれても育ちますが、雨に当たりすぎると腐ってしまう危険があります。長雨や梅雨のときは屋根のある場所に移動させてください。

冬越し

冬を迎え、外気温が5℃を下回る場合は室内に取り込みましょう。葉が落ちて休眠期になった「パキポディウム」の株は断水し、夏よりも乾燥させた状態で育てます。過湿は腐る原因につながるため、月に1〜2回の水やりでも十分です。水やりはあまり気にせず、温度の高い場所で管理することを優先させてください。

増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)

「パキポディウム」の増やし方には、種まきのほか挿し木などがあります。種の入手が難しいためおすすめは挿し木で、3~5月に行うのが適しています。腐っている部分が入らないように幹を切り、切り口を日陰できちんと乾かしてから植え替えましょう。数日間は水を絶ち、できるだけ乾燥した環境で育ててください。

※情報の取り扱いには十分に注意し、確認した上で掲載しておりますが、その正確性、妥当性、適法性、目的適合性等いかなる保証もいたしません。
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PUKURI編集部

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