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センペルビウムの育て方

センペルビウムはヨーロッパ中部・ロシア・モロッコなどが原産でベンケイソウ科センペルビウム属の多肉植物です。今回は初心者にもわかりやすい内容でセンペルビウムの特徴や写真のほか、水やりや病害虫、選び方、増やし方、肥料や用土などの詳しい育て方などを紹介します。

センペルビウムの基本情報

植物名センペルビウム
学名Sempervivum
英名Sempervivum
科名ベンケイソウ科
属名センペルビウム属
原産地ヨーロッパ中部・ロシア・モロッコなど

センペルビウムの特徴

「センペルビウム」はヨーロッパ中部・ロシア・モロッコを原産地とする、ベンケイソウ科センペルビウム属の多肉植物です。葉はいわゆるロゼットタイプ。親株からランナーが伸び、その先に子株を付けて成長しながら群生していきます。ラテン語で「永遠に生きる」という名が示すように、丈夫で育てやすいのが特徴。標高の高い山にも生息する高山性の植物なので耐寒性に優れ、寒さが増してくると葉っぱが紅葉して色が変化します。「センペルビウム」の原種はおよそ40種類以上あるとされ、成長期の春先を迎えて暖かくなるとそれぞれの品種独自の色あいに発色しながら大きくなります。四季折々に移り変わる色づきのグラデーションも魅力のひとつで、外に植えられる多肉植物として日本だけでなく欧米でも人気を集めています。その人気ゆえ次々と園芸品種が開発され、現在の品種数は数千にもおよびます。まるで花が咲いたような姿で、大小や品種さまざまな「センペルビウム」を寄せ植えすると花畑みたいに見えます。色合わせも楽しみながら多種類を丸い鉢に植え、「センペル丼」といったネーミングで楽しむファンも多いそう。

センペルビウムの詳細情報

園芸分類多肉植物、センペルビウム
草丈・樹高〜10cm程度
耐寒性強い
耐暑性やや弱い
耐陰性強い
花色白、ピンク、複色
開花時期品種による

センペルビウムの育て方カレンダー

時期1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
植え替え
開花時期
肥料

センペルビウムに適した栽培環境

日当たり・置き場所

真夏以外の時期は、戸外の日当たりのよい場所で管理してください。日光をしっかり当てることで強い株に育ち、葉の枚数も増えて美しくなります。日光が不足すると痩せて間のびしてしまうので気をつけてください。高山性の多肉植物なので耐寒性は高く、屋外でも育てられます。庭植えする場合には水はけに優れ、真夏は半日陰になる場所がもっとも適しています。

温度

「センペルビウム」は耐寒性に優れており、マイナス5℃程度までであれば耐えてくれます。そのため、冬の屋外で霜や雪がかかってもめったに枯れることはありません。直射日光下では30℃までの場所が安全ですが、遮光をきちんとしていれば40℃くらいは耐えられます。乾燥に強い反面過湿に弱く、梅雨時から9月にかけてはランナーが伸び子株がたくさん出るので蒸れて腐ってしまう危険性があります。

用土

「センペルビウム」を育てるときには、水はけのよい土を選びます。手軽に使える多肉植物専用の土、もしくは赤玉土3・鹿沼土3・ココピート2・川砂2の割合で配合するとよいでしょう。特に市販の土に含まれる「くん炭」は、水はけのほか保水性や通気性を高める効果があります。含有量をチェックしてみるのがおすすめです。

センペルビウムの育て方のポイント・コツ

水やり

春から初夏までと秋が生育期で、夏の盛りや寒い冬期は休眠期にあたります。春と秋は土が乾いたら鉢底から水が出るくらいにたっぷりと水やりをしてあげてください。いっぽう梅雨明けから夏の期間、用土が湿りすぎていると根腐れを起こすことがあります。できるだけ水やりは控えめに行い、雨にもなるべく当てないように注意しましょう。耐寒性が強いので、冬季に霜や雪が積もっても雨ざらしでも大丈夫。ただし乾燥ぎみに管理してください。夏のピークには土が乾ききってから2、3日間を空け、春と秋のようにたくさん水をあげます。「センペルビウム」は必要最低限の水で十分に成長するため、葉に元気がなくなったタイミングの水やりだけでもかまいません。

肥料

肥料には大きく分けて「緩効性」と「遅効性」と「速効性」とがあります。「センペルビウム」には成長期に緩効性肥料を少量、もしくは薄めた液体肥料を月に1回くらい加えてあげれば十分です。この緩効性肥料は効果が長くじっくりと続くタイプで、遅効性肥料は作物に作用するまでけっこう長い時間がかかります。それらの肥料は有機物であることが多く、化合物を多く含んだ栄養剤は特に必要ありません。「センペルビウム」は日光や適切な温度管理をすればきちんと成長するので、肥料をあげなくとも枯れるということはないでしょう。

病害虫

「センペルビウム」は比較的病気にかかりづらい多肉植物ですが、害虫から病気になる可能性があります。付きやすい害虫としては「カイガラムシ」や「アブラムシ」、「ハダニ」が挙げられ、特に花芽や新芽などの柔らかい部分はダメージを受けやすいので注意が必要です。まだ若く成長途中の「センペルビウム」は、害虫が付着していないかこまめに気を配ってあげてください。風通しをよくすることが予防につながるので、害虫対策には環境づくりが大事になると考えられます。

センペルビウムの詳しい育て方

選び方

土の密着している部分の葉っぱに枯れがなく、徒長していない葉色の美しいものを選んでください。「センペルビウム」は本来山岳地帯に生息している多肉植物で、非常に丈夫なのが特徴です。乾燥や寒さにも強く、病気の心配も少ないため初心者にもおすすめ。色や形は多彩なので、自分好みの「センペルビウム」を購入すれば愛着もひとしおです。

植え替え・鉢替え

植え付けは春か秋を選んで行います。あまり大きいものや小さいものは避け、それぞれ大きさに合った鉢のサイズがよいでしょう。たとえば大きすぎると、土の量が多いために土の乾きが遅くなり、根腐れを引き起こしかねません。逆に小さすぎる鉢は根詰まりの原因になります。植え替えは2~3年に1回、こちらも春か秋にします。

シャープな花びらを持つ、スタイリッシュな花を咲かせます。ただ「センペルビウム」は、花を咲かせた株は枯れてしまうという性質があります。花を鑑賞したい場合はそのままにしてもよいですが、花芽を早めにカットしたほうが子株は成長しやすくなります。

夏越し

「センペルビウム」はヨーロッパ中部・ロシア・モロッコを原産とし、多肉植物のなかでも比較的高温多湿に弱いといった特徴があります。そのため梅雨から夏にかけての期間には、雨が当たらず風通しのよい半日陰になる場所で夏越しさせてください。

冬越し

「センペルビウム」は、標高の高い山にも生息する高山性の植物です。そのため耐寒性に優れ、屋外での冬越しも心配いりません。-30℃と極寒の環境においても対応でき、日本であればどこで育てても凍らないのは魅力のひとつです。

増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)

挿し木や株分けといったやり方で増やすことができます。品種によってはたくさんのランナーの先に子株を付けるので、切り離して挿し木に使いましょう。その際は切り口を3〜4日乾かしてから用土に植えます。また群生している株は株分けも可能。傷んだ根はカットし整理してから新しい土に植え付け、3〜4日おいてたっぷりと水やりをしてください。これらは真冬に行うと発根しづらいため、成長期である春と秋を選びましょう。

挿し芽の時期

寒さのピークを迎える真冬に行うと発根しづらく、「センペルビウム」の成長期である春と秋にするほうが発根しやすくなります。カラッとした気候で気温が安定している環境が適しています。また切り口がきちんと乾燥していないと雑菌が入って腐ることがあるので、作業後すぐの水やりはしないようにしましょう。

※情報の取り扱いには十分に注意し、確認した上で掲載しておりますが、その正確性、妥当性、適法性、目的適合性等いかなる保証もいたしません。
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