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カランコエ(多肉植物)の育て方

カランコエは南アフリカ、東アフリカ、東南アジアなどが原産でベンケイソウ科カランコエ属の多肉植物です。今回は初心者にもわかりやすい内容でカランコエの特徴や写真のほか、水やりや病害虫、選び方、増やし方、肥料や用土などの詳しい育て方などを紹介します。

カランコエ(多肉植物)の特徴

「カランコエ」は、ベンケイソウ科カランコエ属に分類される夏型の多肉植物です。一般的に広く流通しているのは「ブッロッスフェルディアーナ種」から改良された品種で、手に入れやすいことから多くの多肉植物愛好家に親しまれています。原産地は南アフリカや東アフリカ、東南アジアなどに広く生息し、仲間を含めると200以上もの種類が存在しているのだとか。葉っぱが短い毛で覆われているようにフワフワしたものやギザギザの形状を持つもの、丸くてつやがあるもの、紅葉するものなどがあり、形もさまざまなのが魅力のひとつ。これらは主に花を観賞するタイプと葉を楽しむ観葉タイプの2種類に分けられるので、好みによって選ぶとよいでしょう。開花する時期は12~6月の間で、花の色にはピンクやオレンジ、赤といった色鮮やかなものが多くみられます。また花の形も一重咲き、八重咲き、つりがね型といろいろなパターンが販売されています。従来の「カランコエ」は鉢に植えられたものが主流でしたが、最近では切り花としても流通しているようです。園芸店やフラワーショップで見かけたらチェックしてみてください。

カランコエ(多肉植物)の詳細情報

園芸分類多肉植物、カランコエ
草丈・樹高10cm~3m
耐寒性弱い
耐暑性強い
耐陰性普通
花色ピンク、赤、黄色、オレンジ、白、紫、グリーン
開花時期10月~5月

カランコエ(多肉植物)の種類

月兎耳(つきとじ)

月兎耳(つきとじ)

福兎耳(ふくとじ)

福兎耳(ふくとじ)

仙女の舞

仙女の舞

子宝弁慶草(こだからべんけいそう)

子宝弁慶草(こだからべんけいそう)

ゴールデンラビット

ゴールデンラビット

唐印

唐印

カランコエ(多肉植物)の育て方カレンダー

時期1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
植え替え
開花時期● 
肥料

カランコエ(多肉植物)に適した栽培環境

日当たり・置き場所

「カランコエ」は日当たりと風通しよく、乾燥ぎみの環境を好む多肉植物です。日光が足りないと葉に厚みがなくなり、徒長と呼ばれる間延びした状態になってしまうので気をつけてください。ただし真夏の直射日光が当たると葉焼けを起こす可能性があるため、明るい日陰に移動させてあげる必要があります。

温度

耐寒性が低い植物のため、気温が5℃以下になる季節は室内に取り込んで育てましょう。太陽が出ている昼間はできるだけ屋外や日の当たる室内に置き、気温が下がる夜は窓の近くに置かずに冷気の届かない暖かい場所へと移動させてください。真冬を迎え気温が0℃になったら、鉢内の温度が下がらないように水やりも中止します。

用土

水はけのよい土を使いましょう。多肉植物・サボテン専門店で取り扱っているものや市販の多肉植物用土でも栽培可能です。自分でオリジナルブレンドするなら、赤玉土5に対してピートモスを2、川砂を3くらいの割合で配合するのがベスト。また、元肥としてリン酸が含まれた肥料を土に混ぜておくと花を長く楽しめます。

カランコエ(多肉植物)の育て方のポイント・コツ

水やり

葉に水を蓄える性質を持っており、乾燥には強い多肉植物です。4~9月の間は土が乾ききったあと、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷり水を与えます。真夏の時期のみ、朝方か夕方の涼しくなった時間帯を選んでください。「カランコエ」は根が細くて水を吸う力が弱く、水をやりすぎると過湿によって根腐れを起こしてしまいます。休眠期にあたる冬は控えめにするか、耐寒性が上がるのでほぼ断水に近い状態でもよいでしょう。室内に置く場合は暖房などによる乾燥を防ぐため、霧吹きを葉に吹きかけて葉水をすると葉が元気になります。

肥料

「カランコエ」の生育期である春から初夏、秋に追肥として1週間~10日程度のペースで液体肥料もしくは緩効性肥料を施しましょう。その際、花を長く楽しみたいのであればリン酸が多く含まれているものを選ぶとよいでしょう。真夏の暑い盛りは過湿により根腐れを起こしやすいためできるだけ控えます。また休眠期にあたる冬も株が成長しないので、特別に与える必要はありません。植え替えするとき、緩効性肥料をあらかじめ土に混ぜ込んで元肥にするのもおすすめです。

病害虫

「アブラムシ」や「カイガラムシ」、「ハダニ」が付くことがあります。アブラムシは3~5月に多く発生する虫で、花芽や新芽、若い葉といった柔らかい部分に加え茎、葉の裏などにもみられます。樹液を吸汁して株を弱らせるうえ、群生しやすいので非常に厄介です。ハダニは気温が高い場所や乾燥しているところに現れます。こちらは植物の葉から栄養を吸収して弱らせ、弱ると被害も大きくなりやすいため注意が必要。数が増えると葉緑素の不足によって光合成ができなくなり、成長不良や枯れを引き起こしかねません。

カランコエ(多肉植物)の詳しい育て方

選び方

「カランコエ」は品種がとても豊富な植物で、花の色や咲き方、葉の色と形状までバラエティに富んでいます。自分の好みや飾る場所に合わせて選ぶとよいでしょう。購入する際は葉に傷や害虫が付いていないかをきちんと確認してください。茎がぐらつかない株は根がしっかりと張っている証。葉の色つやがよく、鉢と株のバランスが取れているかどうかもポイントです。

剪定・切り戻し

「カランコエ」が成長するためには剪定の作業がとても重要。長く育てていると茎や葉が茂り、花咲きが悪くなったり間延びしてしまいます。できれば1~2年に1回くらいの頻度で切り戻しを行いましょう。春と秋の開花が終わったあと、根元から10cmほど残して茎をカットしてください。こうすることで、ふたたび日光を当てると太くどっしりと成長するようになります。

植え替え・鉢替え

「カランコエ」は初夏と秋が植替えの適期です。ただし開花している株を購入した場合、すべての花が咲き終わったころを目安に作業してください。古い根を半分ほどカットして整理しますが、その際に太いものを切らないよう気をつけましょう。もし切ってしまった場合はしっかりと乾かしてから植え付け、植え替え後の水やりは2~3日経ってから行います。

「カランコエ」の花には短日性の性質があり、昼の時間が短くなったことを感じて花芽を付けます。そのため、夜間も明るい室内で管理すると花が咲かないことがあり注意が必要です。多肉植物のなかではよく花が咲く品種で、時期を迎えると少しずつバラバラに開花します。枯れた花を放置すると株が弱りやすいので、花がらを摘んで余計なエネルギーを使わせないようにしてください。

夏越し

太陽が高くなる真夏は、「カランコエ」を育てる場所に注意が必要です。葉焼けを防ぐには直射日光と西日、強い日差しを避け、明るい日陰で育てるとよいでしょう。また蒸れやすい時期でもあるため、風通しのよい場所に置くか扇風機やサーミューレータなどを使うのがおすすめです。

冬越し

寒さに弱いので、気温が5℃を下回ったら室内に鉢を移して管理しましょう。日の長さが短くなると花芽を付ける短日植物なので、気温の低い場所ではつぼみがつきにくくなったり花が咲かない可能性も考えられます。昼間は窓付近の暖かいところに置き、夜はできるだけ蛍光灯の光が当たらないように工夫してください。

増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)

「カランコエ」は株分けや葉挿し、挿し木で増やすことができます。剪定が必要になるため、挿し木で増やす方法がもっともオーソドックスでおすすめ。新しい芽は残して上をカットし、3~4日くらい切り口をしっかり乾燥させます。その後新しい土に挿し、終わったら風通しのよい明るい日陰で管理してください。成長して伸びてしまったとき、脇芽が伸びたときなどに行うのもよいでしょう。

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PUKURI編集部

PUKURI編集部の企画・編集スタッフです。多肉植物が大好きな編集部スタッフが論文などの情報に基づき、役立つ情報をお届けします。

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