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ユーフォルビア・ハナキリン(花麒麟)の育て方

ハナキリンはマダガスカルが原産でトウダイグサ科ユーフォルビア属の多肉植物です。今回は初心者にもわかりやすい内容でハナキリンの特徴や写真のほか、水やりや病害虫、選び方、増やし方、肥料や用土などの詳しい育て方などを紹介します。

ハナキリンの基本情報

植物名ハナキリン
学名Euphorbia milii
英名Christ Plant
和名花麒麟
科名トウダイグサ科
属名ユーフォルビア属
原産地マダガスカル

ハナキリンの特徴

ハナキリンはマダガスカルを原産とする灌木の一種で、砂漠などの水が少なく厳しい環境にも適応できるほどの丈夫さを持っています。幹や枝、茎には長いトゲトゲがあり、若い時期は比較的柔らかくだんだんと硬くなっていくのが特徴です。茎は太めで乾燥に強く、花と葉っぱはどちらも主に茎の先端に付きます。一見花に見える部分、これは実のところ葉っぱが色づいたもので「苞(ほう)」と呼ばれています。ハナキリンの開花期は長く、成長期の期間中にほぼ毎日開花しているケースもみられます。寒さに当たると葉を落として休眠期に入りますが、日本では関東より南の暖かい地域であれば屋外で越冬することも可能です。ハナキリンのお手入れで注意が必要なのは、剪定するときに出る樹液。乳白色で粘りけがあり、刺激が強い独特のにおいがします。目に入るとトラブルの危険があるほか、皮膚などに付着してかぶれてしまう体質の人もいます。作業については必ずゴム手袋を装着し、ごみ袋を用意して素早く処理できる工夫や準備をしましょう。

ハナキリンの詳細情報

園芸分類多肉植物、ユーフォルビア
耐寒性弱い
耐暑性弱い
耐陰性弱い
花色赤、ピンク、白、黄、緑など
開花時期3月~12月

ハナキリンの育て方カレンダー

時期1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
植え替え
開花時期● 
肥料

ハナキリンに適した栽培環境

日当たり・置き場所

ハナキリンは日当たりのよい場所を好むため、直射日光が当たって風通し良好な場所に置くのがおすすめです。日照不足に弱いので春から秋は戸外で育て、真夏の直射日光は避けて夏場は半日陰に移動させましょう。明るい日陰でも育ちますが、日当たりが悪すぎると弱々しく頼りない姿になってしまいます。

温度

非常に寒さに弱い多肉植物なので、冬場は日光がよく当たる室内に鉢植えを移してやりましょう。最低でも5℃を下回らない環境が適しており、健康な生育を保つには15℃~25℃くらいが推奨とされています。冬季も通常通り生育させたいのであれば10℃以上の気温をキープするのが望ましいですが、5℃あれば枯れることはありません。

用土

ハナキリンは水はけのよい土を好む品種で、土さえ適切なら雨ざらしの場所でも元気に育ちます。市販されているサボテン・多肉植物用の土、もしくは山野草用向けのものを使用するのがおすすめ。自分で配合する場合は、硬質赤玉土を基本の6程度にして鹿沼土や腐葉土3、川砂1の割合に仕上げるとよいでしょう。

ハナキリンの育て方のポイント・コツ

水やり

ハナキリンはとても乾燥に強く、少々水を切らしても枯れることはありません。むしろ過剰な水やりは徒長につながりかねないため、成長期は土の表面が乾燥したらやる程度で大丈夫です。葉が落ちている冬の休眠期であれば、回数を少なくして1週間に1度軽く水をあげましょう。強制的に休眠させる場合は、秋ごろから徐々に回数を減らしていき冬の間はいっさい与えないようにしてください。この時期の鉢の置き場所は室内やベランダが無難です。

肥料

植え替えをするときに元肥を少しだけ混ぜ込むか、もしくは成長期に月1回くらい液体肥料を与える程度で十分とされています。普通の肥料であれば5月~11月の間、2~3か月ごとにやるのがおすすめ。きれいな花を咲きやすくするためには、リン酸やカリウムといった成分が多く含まれた緩効性タイプのものを選びましょう。市販の製品なら袋や箱に記載されている数値をチェックし、できるだけそれらが大きなものを選ぶようにしてください。

病害虫

病害虫には比較的強いハナキリン。ただ、ごくまれに「ワタムシ」という体長3mm程度の害虫が付着することがあります。ワタムシは、その排せつ物から「すす病」を発生させてしまいます。多くが葉の裏や付け根といった見えにくい部分に隠れており、見つけたときには手遅れになってしまいがちなので注意が必要です。常に気をつけて観察しておくようにし、発見したらそのつどこそぎ落とすなどして取り去ってください。また、「アブラムシ」や「カイガラムシ」にも用心しましょう。

ハナキリンの詳しい育て方

選び方

ハナキリンを選ぶ際は、葉の表だけでなく裏側も虫が付いていないかチェックしましょう。株を手で触ってみてぐらついている場合、根が張っていない可能性があるので避けてください。ハナキリンは、苗で販売されているときも花が咲いている状態。花芽がよく付いたもの、みずみずしくハリつやがあるものを選ぶと成長が期待できます。

剪定・切り戻し

茎が上へ上へと伸びてゆく性質を持っています。1本だけ伸びていくと倒れやすくなるうえ、見た目があまりよくありません。生育が旺盛な夏ごろ、伸びすぎた茎を短く切り戻してあげると新芽が出てきてバランスと座りがよくなります。丈夫な植物なので多少短く切りすぎてもちゃんと芽は出てきますが、低温で生育しない時期だけは切り戻しを避けます。

植え替え・鉢替え

ハナキリンは、地植えよりも鉢植えの方が適しています。根が回っている場合は株よりもひと回り大きめの鉢に植え付け、その後は経過を見守るために室内へ入れておくとよいでしょう。植え替えを行う間隔は2~3年に一度くらいがおすすめです。

ユーフォルビア特有の、「サイアチア(杯状花序)」をした花を咲かせます。花も葉っぱも主に茎の先端に付きますが、花のように見える部分は実は「苞(ほう)」と呼ばれる葉っぱが色づいたもの。その内側の部分が花になり、咲き終わったらそのまま付けておかずこまめに摘み取るようにしてください。

夏越し

ハナキリンは暑さに強い多肉植物です。特に気をつけることはありませんが、真夏の直射日光はよくないため夏場は半日陰に置いたほうがいいでしょう。夏場でも水やりは毎日しなくても大丈夫です。土の表面が乾いたら、鉢底から流れるくらいたっぷりと水を与えてください。

冬越し

暖かい地域であれば屋外越冬も可能です。葉が落ちたら休眠期に入った合図なので、水を控えめにして乾燥ぎみにするなど調節しましょう。冬場の水やりは10~20日に1回程度で十分です。基本的には寒さに弱いため、冬場は日当たりのよい室内に移して最低でも5℃を下回らない環境で育ててください。

増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)

ハナキリンは挿し木で増やすことができ、適期は5~7月とされています。枝の先端を5cmほど切り、乳白色の樹液を洗い流してください。そのまま土に挿すと切り口から雑菌が入りやすいため、数日間日陰で乾かしてから使います。作業後は明るい日陰で管理し、1か月ほどして発根したら普段どおり育てましょう。

※情報の取り扱いには十分に注意し、確認した上で掲載しておりますが、その正確性、妥当性、適法性、目的適合性等いかなる保証もいたしません。
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PUKURI編集部

PUKURI編集部の企画・編集スタッフです。多肉植物が大好きな編集部スタッフが論文などの情報に基づき、役立つ情報をお届けします。

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