エケベリアはメキシコ・中米・南米の北西部が原産でベンケイソウ科エケベリア属の多肉植物です。今回は初心者にもわかりやすい内容でエケベリアの特徴や写真のほか、水やりや病害虫、選び方、増やし方、肥料や用土などの詳しい育て方などを紹介します。
エケベリアの基本情報
植物名 | エケベリア |
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学名 | Echeveria |
英名 | Echeveria |
科名 | ベンケイソウ科 |
属名 | エケベリア属 |
原産地 | メキシコ・中米・南米の北西部 |
エケベリアの特徴
「エケベリア」はベンケイソウ科エケベリア属に含まれ、メキシコや中米などを原産とする春秋型種の多肉植物の一種です。5~6cmと小型のものから40cm近くにも成長する大型種まで約180もの原種が存在し、園芸用にこれまで数多くの交配種が生み出されています。栽培難易度は違いますが丈夫で室内の環境でも育てやすい品種が多く、初心者から多肉マニアまで幅広く楽しめると人気。正面から見たときの肉厚なロゼット型の姿はまるで花が開いたように美しく、その華やかさからフラワーアレンジやブーケに用いられることもあります。晩秋から春にかけて日によく当て育てると葉がきれいな紅葉色に染まり、初春から夏は小輪で色鮮やかな花を咲かせてくれます。葉の色は緑や赤、黒、白、青色など変異に富んでおり、1年を通じていろいろな魅力が表れるのが持ち味です。ただし、もともと標高の高い場所に自生する一部の種類は日本の高温が苦手。いっぽうで葉が白い粉で覆われる品種は低地性のため寒さに弱く、同じ「エケベリア」でも種や品種によって特性が大きく異なるので注意が必要です。
エケベリアの詳細情報
園芸分類 | 多肉植物、エケベリア |
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草丈・樹高 | 5cm~ |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 強い(品種による) |
耐陰性 | 強い(品種による) |
花色 | オレンジ、黄色、赤、ピンク |
開花時期 | 2月~8月 |
エケベリアの種類
エケベリア・エレガンス(月影)
「月影」の名前で流通することが多い「エケベリア・エレガンス」。葉のフチが半透明で丸みを帯びた形がとても愛らしく、エケベリアの中でも非常に人気のある品種です。
エケベリア・七福神
緑色の葉が幾重にも重なる姿が美麗で、おめでたい和名を持つ「エケベリア・七福神」。冬には葉っぱの先端部分が赤く色づいて紅葉し、春から夏の終わりにかけての時期には黄色やオレンジ色の花を楽しむこともできます。
エケベリア・花うらら
「エケベリア・花うらら」は、ブルームがかった表面と縁の赤いラインが特徴の葉を持つ品種。気温が低くなってくると葉先がより赤く染まり、さらにビジュアルの変化をみせます。「エケベリア」の中でも丈夫で育てやすく、寄せ植えにも多用されています。
エケベリア・キュービックフロスト
肉厚な葉を備え、内巻きにカールしている反ったような形が目を引く「エケベリア・キュービックフロスト」。ユニークなフォルムが印象的なハイブリッド品種の代表格です。紅葉すると全体がライラックパープルに染まり、いっそう美しさを増します。
エケベリア・桃太郎
ロゼット状に葉を展開し、やや幅広な葉が先端に向かうにつれて鋭くとがっていきます。秋から冬はよく日に当てて育てると葉色が濃くなり、紅葉で先端が赤く染まって美しい姿に変化します。つぼみの状態では全体的にピンク色をしていますが、花が開くと内側は黄色でコントラストが楽しめます。
エケベリアの育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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植え替え | ● | ● | ● | ● | ||||||||
開花時期 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | |||
肥料 | ● | ● | ● | ● |
エケベリアに適した栽培環境
日当たり・置き場所
「エケベリア」は春秋型種の多肉植物であり、春から初夏と秋にかけて成長します。普段は日当たりと風通しのよい場所で管理し、真夏を迎えたら半日陰になる場所に移動してください。耐寒性は品種によって異なり、冬でも戸外に耐えるものもあります。ただ基本的には、5℃以下の環境では室内に入れるのがよいでしょう。
温度
ある程度の耐寒性は持ち合わせていますが、雪や霜には直接当たらないよう気をつけましょう。「エケベリア」の耐寒温度は5℃くらいまでなので、それを下回る場合は室内の明るい場所に取り込んで管理するのがベストです。室内でも冬の夜間は窓際など冷え込む場所があるため、昼間はできるだけ日光を当てるようにしてください。
用土
「エケベリア」には主として、ひと目で水やりのタイミングがわかる「多肉植物専用の土」が使われます。市販の土を選ぶときに注意したいのは、排水性や通気性といった水はけのよさ、また保水性にも注目しましょう。セルフブレンドする場合には、小粒の赤玉土4に軽石3、鹿沼土1、腐葉土1の割合で配合してください。
エケベリアの育て方のポイント・コツ
水やり
「エケベリア」への基本の水やりは、土が乾いたら鉢底穴から流れるくらいにたっぷりと与えるのがコツです。健康に育てたいのであれば、季節ごとに変えるのがおすすめ。春と秋秋にはできるだけ日当たりのよい場所に置き、基本と同じく土が乾いたら鉢底から水が出るくらいにしっかり水やりをします。反対に夏はほぼ断水し、夕方などに涼しくなってから葉水もしくは土が半日くらいで乾く程度の水をあげましょう。高温多湿は苦手な品種なので、水をやりすぎると蒸れて株が傷んだり根腐れを起こしたりといったトラブルにつながります。冬は断水により耐寒性を高める効果が期待できます。
肥料
多肉植物はメキシコや南米、北米などの砂漠や砂利が多い地面に自生しています。肥沃な土というよりは荒れて痩せた土で育っており、本来であれば肥料はなくても大きくなる植物です。もちろん肥料を与えれば生育状態がよくなるので、植え付け・植え替えのときに土に緩効性肥料などを少しだけ混ぜ込んでおくとよいでしょう。ただし休眠期の冬は施さないよう注意してください。秋に肥料を与えすぎると紅葉の発色が悪くなることがあります。
病害虫
「アブラムシ」「カイガラムシ」「ハダニ」が付きやすく、特に花芽や新芽といった柔らかい部分は害を受けやすいので注意が必要です。カイガラムシは体長3mmほどの小さな虫で、吸汁を経て成長していくにつれて体からワックスなどを分泌し自分を守ろうとする性質があります。アブラムシは2~4mmくらいの体長を持ち、幼虫・成虫ともに葉やつぼみを吸汁します。群生する習性があり、被害が拡大しやすいので早めの対処をしましょう。ハダニは気温が高いところ、乾燥している場所に暖かい時期を中心に発生します。被害が大きくなると葉緑素の不足によって光合成ができず、成長不良や枯れを引き起こします。
エケベリアの詳しい育て方
選び方
園芸店やショップなどで「エケベリア」を選ぶときは、葉に傷や害虫がついていないかよく確認しましょう。見た目がぎゅっとしまり、葉と葉の間隔が開いていない色つやのあるものが理想的。またゆがみや変色がなくてしっかりと根が張り、全体的に鉢と株のバランスがとれているかもポイントです。
植え付け
植え替えには春と秋の生育期が適しており、梅雨時期や真夏は根が傷む原因になるので避けるのがおすすめです。その際、土をしっかり乾かしておくと根が張りやすくなります。水やりは、植え替えてから1週間後くらいを目安に与えましょう。根詰まりしている場合、古い根はカットし整理してから植え付けを行います。カットに使うハサミは消毒し、使用後もふたたび消毒をしてからしまってください。
花
初春から夏の季節に株元から花茎を伸ばし、オレンジや黄色、赤、ピンク、複色などのひかえめでうつむきがちな小さい花を咲かせます。花が終わったあとには花茎を根元で切ってやるようにしましょう。「エケベリア」の花言葉は「優美」や「たくましさ」、「おだやか」、「風雅」といったすてきな意味が多く付けられています。
夏越し
「エケベリア」の夏越しは半日陰の場所に置いて管理をし、なるべく風通しのよい環境で育てるのがコツです。あまり水はやらず、与えても月に1度ほどに抑えて表面の土が湿る程度の量にします。高温多湿は苦手なので、水を与えすぎると蒸れて株に傷みや根腐れを起こしやすくなってしまいます。
冬越し
品種にもよりますが、おおむね「エケベリア」は寒さにそれほど強くありません。気温が5℃以下になる場所や季節になったら室内の明るい場所に移してあげましょう。この期間の水やりは、ほぼ断水状態に近くすると耐寒性を高めることができます。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
株分けと葉挿し2つのやり方があり、株分けでは子株を外して増やすことができます。ハサミなどでカットし1~2週間切り口を乾燥させ、新しい清潔な土に植え付けてください。1週間以上経過したら水やりを行います。葉挿しは株から葉を取ってすぐに土に挿すのではなく、半日陰の場所で根と芽が出てくるまで風通しのよいところで放置。根や芽が出てきたら植え付けます。
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