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黒法師(クロホウシ)の育て方

黒法師(クロホウシ)は地中海沿岸が原産でベンケイソウ科アエオニウム属の多肉植物です。今回は初心者にもわかりやすい内容で黒法師(クロホウシ)の特徴や写真のほか、水やりや病害虫、選び方、増やし方、肥料や用土などの詳しい育て方などを紹介します。

黒法師(クロホウシ)の特徴

「アエオニウム」の仲間で、冬に成長し夏は休眠する冬型の多肉植物の代表ともいえる品種。もとはアフリカの北に分布するカナリア諸島を原産とし、「黒法師(クロホウシ)」はモロッコ原産のアルボレウム種をもとに生み出されたもっともポピュラーな園芸品種です。観賞用として広く愛されており、ユニークな姿形が面白い多肉植物のなかでもとりわけ神秘的な光沢ある黒い葉を持っているのが特徴とされています。茎の上部にロゼット状の葉っぱを付け、まるで花が咲いているような株立ちで上に伸びながら高さ50cm〜100cmほどにまで成長していきます。ひとつを小さな鉢に植えたものから、茎が成長して株立ちになったものまであらゆるサイズの「黒法師(クロホウシ)」が流通しています。そのフォルムはとても人気があり、鉢植えにして屋外で育てる人も多いようです。同じ「アエオニウム」に「カシミヤバイオレット」という品種があり、こちらは「黒法師(クロホウシ)」のタイプ違いになります。「カシミヤバイオレット」のほうがより色味が茶色っぽく、つやは控えめでマットな感じの見た目をしています。

黒法師(クロホウシ)の詳細情報

園芸分類多肉植物、アエオニウム
草丈・樹高10~80㎝
耐寒性やや弱い
耐暑性やや弱い
耐陰性やや弱い
花色黄色
開花時期2月~6月

黒法師(クロホウシ)の育て方カレンダー

時期1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
植え替え
開花時期
肥料

黒法師(クロホウシ)に適した栽培環境

日当たり・置き場所

「黒法師(クロホウシ)」の持ち味である葉の黒さを美しく出すには、太陽の光が必須。春・秋・冬はたくさん日に当て、風通しのよい場所に置くのがおすすめです。ロゼット状の葉っぱは太陽に向かって成長するので、その性質に合わせて鉢の向きを変えればカーブさせることも可能です。片側だけにしか太陽が当たらないと傾いてしまうため、バランスよく仕立てるには適度に全体に太陽が当たるように育てましょう。

温度

「黒法師(クロホウシ)」の栽培に適した温度は15~20℃で、5℃以下と25℃以上になると生育が鈍くなってしまいます。春・夏・秋の期間は日当たりと風通しのよい場所に置き、気温が20℃を越えたら明るい日陰へと移動してあげてください。耐寒温度は3℃程度とされており屋外で育てられますが、冬なら室内の窓際に移すのがおすすめです。

用土

サボテンや多肉植物専門店で扱っている専用土や、市販の多肉植物の土でも栽培できます。土選びのポイントは排水性と通気性がよいこと、できれば肥料が入っていないということです。自分で混ぜ合わせて作る場合、赤玉土や鹿沼土、バーミキュライトやピートモスといった改良用土などで作ります。土には酸性度や通気性などそれぞれ特徴があるので、バランスを整えるためにはなるべく4種類以上を用いるのがコツです。

黒法師(クロホウシ)の育て方のポイント・コツ

水やり

「黒法師(クロホウシ)」に水をやる際、春と秋は土が乾いたら鉢底穴から流れるくらいたっぷりと与えてください。冬は乾燥ぎみに育てつつ、暖かい日に水やりを行うのが理想的です。低温時に与えてしまうと根っこが傷んだり、根腐れの原因になったりします。やるときも冷たい水は使わず、15℃くらいのぬるめのものを与えるほうが根の傷つきを防ぐことができます。夏は水をほぼ断水しましょう。月に数回くらいなら葉水を与えても問題ありませんが、半日程度で水が乾くような量にしてください。

肥料

「黒法師(クロホウシ)」はもともと肥沃でない土で育つものなので、基本的には肥料をやらなくても育ちます。ただし赤玉土やピートモスといった無機質な土を使っている場合、多肉植物に必要な微量要素が不足してくる可能性があります。また良好に生育させ、大きく育てるためにも成長期に薄めた液体肥料を与えるとよいでしょう。その際は3~6月あたりと10~12月に月1回程度与え、また植え替えのとき土に細粒の緩効性肥料を混ぜ込んでおくのもおすすめです。休眠期の冬は施しません。肥料のやりすぎは徒長や肥料焼けをはじめとした副作用を起こす危険があるので、普通の草花の3分の1ほどに抑えておきましょう。

病害虫

「黒法師(クロホウシ)」には「ワタムシ」が付きやすく、その多くは葉の付け根など見えにくい部分に隠れているので注意しましょう。常に株を観察しておき、発見したらそのつどつまようじを使って取り去ってください。多肉植物のなかではわりあい病害虫に強い品種ですが、高温時期に雨ざらしの環境に置くと「軟腐病」にかかってしまうケースがあります。また「黒法師(クロホウシ)」は乾燥ぎみに育てるため、「カイガラムシ」も付きやすいようです。こちらもときどきチェックして除去し、その後は殺虫剤をまいておきましょう。

黒法師(クロホウシ)の詳しい育て方

選び方

茎や葉に「ワタムシ」や「カイガラムシ」といった害虫が付いていないかを念入りに確認しましょう。さまざまなサイズの「黒法師(クロホウシ)」が流通していますが、いずれも形に歪みや変色がなくて鉢と株のバランスがとれているものがよい株とされています。しっかりと根が張り、ずっしりと重量感があって色つやのよさを重視して選びます。

植え替え・鉢替え

植え付けの際に根詰まりしていたら、古い根はカットし整理してから作業を行います。その際、太い根は切らないように注意しましょう。万が一切ってしまった場合は、しっかりと乾かしてから植え付け1週間後くらいに水やりをします。梅雨時期や真夏の植え替えは根が傷む原因になるため、できるだけ避けてください。

「黒法師(クロホウシ)」のロゼットが成熟すると、春に黄色い花を咲かせます。アエオニウム属の植物の多くは花が咲くと寿命を迎え枯れてしまうという性質を持っています。ただこのとき分枝していればほかのロゼットは成長を続けるので、花の付いたロゼットを取り除いてやります。

夏越し

「黒法師(クロホウシ)」の夏は休眠期にあたります。時期を迎えると下葉が落ちますが、枯れているわけではないので安心してください。このとき水やりをすると、株が傷んで枯れてしまうことがあります。8月までは水やりを控えめにし、風通しがよく涼しい半日陰の場所に置いて管理をしましょう。

冬越し

マイナス1~2℃くらいまでなら戸外で栽培可能です。ただし、霜には弱いので注意してください。それ以下の気温になる地域では、冬は室内で育てることになります。晴れた日の昼間には適度に日光に当て、様子をみながら調整するようにしましょう。

増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)

「黒法師(クロホウシ)」は挿し木で増やすことができる多肉植物です。カットした切り口を3~4日乾かし、しっかり乾いたら新しい清潔な土に差します。水はすぐに与えず、1週間ほどしてからたっぷりと与えてください。挿し木後は風通しのよい場所で管理し、カットした親株は脇芽が出てくるのを待ちます。

※情報の取り扱いには十分に注意し、確認した上で掲載しておりますが、その正確性、妥当性、適法性、目的適合性等いかなる保証もいたしません。
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PUKURI編集部

PUKURI編集部の企画・編集スタッフです。多肉植物が大好きな編集部スタッフが論文などの情報に基づき、役立つ情報をお届けします。

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